りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳家小三治 独演会

9/11(木)、調布グリーンホールで行われた柳家小三治 独演会に行ってきた。

・禽太夫「たらちね」
小三治禁酒番屋
〜仲入り〜
小三治「出来心」

禽太夫師匠「たらちね」
「1か月前から調布の住人です」という言葉に会場から拍手が。
「私がいつもいるのは7時ごろのPARCOの地下ですね。魚なんかが安くなりますから。もしも私を見かけた時は声をかけてください。そうしたら上にあるスタバでコーヒーを一杯…ごちそうになりますから」。
明るくて楽しい「たらちね」だった。禽太夫師匠は明るくていいなぁ。

小三治師匠「禁酒番屋
連日テニスの中継を見ていたので睡眠不足で体調が最悪と言う小三治師匠。
準々決勝、準決勝と見ていたので、相当目は肥えてます。だから決勝の最初のあれ…あれなんて言ったっけ。あの最初に打つやつ。あれを錦織選手がうけるところを見て「あ、これはいかん」と思った。その前の試合で疲れ果ててその疲れが残ってることが一目見てわかった。
なのに結局最後まで見ちゃって終わった後のインタビューまで見ちゃって。もう悔しくてしょうがない。負けたことが悔しいんじゃなくて、負けるとわかってて一生懸命最後まで見ちゃったのが悔しい。
あれは優勝すると3億円。準優勝だと1億5千万円ぐらいもらえるらしい。3億円って聞くと私なんかはすぐに「3億円事件」を思い出しちゃう。あの犯人も盗んだりしないでテニスやればよかったのに。
…私はいったい何を言ってるんだろう?

私自身はテニスに手を染めたことはない。卓球はやってましたけど。テニスはないね。
でも高校の時にテニス部があって、金網の向こう側でテニス部の練習が囚われて…こんなふうに「1,2」って言いながら振ってる姿をね。特に女子がやってるところを見るのは、好きでした。

…わははははは。
なんかほんとに体調良くないんだろうなぁ、寝不足でぼーっとしてるんだろうなぁ、という感じは伝わってくるんだけど、でもやっぱり面白い。小三治師匠の話は。
そんなまくらから「禁酒番屋」。お決まりの酔っぱらいの小噺ですでに面白い。
小三治師匠の「禁酒番屋」はもう何回か見ているんだけど、番屋の侍が徐々に酔っぱらってくところ、酒屋の若い衆のノリのよさが楽しい。

小三治師匠「出来心」
まくらなしでいきなり噺に入った。
さいごべいさんのくだりがなくその他もあちこち刈り込んであったので、これはもしかして「花色木綿」までやるのか!と期待。わくわく!

ところが、布団のくだりで大家さんの家の布団を説明する箇所が飛んで、えええ!!さすがにそれがないとまずいのでは…どどどうするんだろうとドキドキしていると、夏の着物のくだりへ。仕込みがないとさすがにそこで言うのもあれよね…と思っていると、そこはもやもやっと流して、「あとは何をとられた?」「ええと、布団です」八五郎がそう答えると、大家さんが「なんだ。さっきからふとんふとんって言うね」と言うので、もう大爆笑。
すごすぎる。もう完全に今のセリフ、小三治師匠じゃなくて大家さんが言ってる…。もうほんとに小三治師匠自体が「落語そのもの」になってるんだ。
噺が飛んじゃっても言葉が多少出てこなくても、会話をしてるだけでもう十分落語なんだ。

なんかすごいものを見たなぁ、という気持ちでいっぱいになった。
やっぱり今の小三治師匠はすごいことになっている。