りつこの読書と落語メモ

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俺に似たひと

俺に似たひと

俺に似たひと

★★★★

昭和という時代に、町工場で油まみれになって働いていた父親。そんな「俺に似たひと」のために、仕事帰りにスーパーでとんかつを買い、肛門から便を掻き出し、「風呂はいいなあ」の言葉を聞きたくて入浴介助を続けた――。透徹した視線で父親を発見し、老人を発見し、さらには「衰退という価値」を発見していく“俺”の物語。医学書院ウェブサイト「かんかん!」で圧倒的な人気を誇った連載、待望の書籍化!

老いるということは本当に希望のないことなのだなぁと思う。
身体がどんどん衰えていって自分のことを自分でできなくなるのはどんなに辛いだろう。
愚痴や恨みをこぼさず淡々と介護してくれる息子に父は何を思ったのだろうか。

後悔もないし、やりきったという満足感もないと作者は言うが、きちんと向き合ってその中で楽しみながら介護した姿勢は本当に素晴らしいと思うし、親孝行だなぁと思う。
辛い話だけど、恨みっぽいところが一切なくて淡々としていて、爽やかな読後感がある。