カウガール・ブルース
- 作者: トムロビンズ
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1994/01
- メディア: 単行本
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J.ケルアックと一緒に放浪した。生まれつきの大きな親指で全米最強のヒッチハイカーになったヒロインの、破天荒で暖かく、そして哀しい物語。
これはまた久しぶりのなんじゃこりゃ!
巨大な親指を持つ美少女が、ヒッチハイクを重ねてたどり着いたのは女だらけの牧場。
そこは離婚したばかりの女性たちが心と身体を癒すサロンだったはずなのだが、いつのまにかカウガールたちに乗っ取られ(?)、無法地帯でもありパラダイスでもあり…。
哲学や宗教にまで切り込みつつ、作者も顔をのぞかせて小説としての構造にも言及しつつ、しかし物語としてきちんとストーリーを展開して着地させるという、なんだかもうとんでもない作品。
決して得意分野ではないのだけれど、小説にメタメタにされる楽しさを味わえた。
怪作だなぁ。「ピンチョン絶賛」に妙に納得。
実は読み始めは「こここれは無理かも」と思ったのだが、旦那の励まし(?)で読みきることができた。
今週読む予定の本たちをソファーの肘掛部分に積んでいるんだけど、テレビを見ながら本をぱらぱらとめくっていた旦那が、「あんた、こんな本を読んでるんだ?すごいね。まじですごいね。こんなの読めるんだ?俺だったら1年かかっても読めないよ」。
え?なんのこと?と思ったらそれがこの「カウガール・ブルース」。
「この内容が理解できるなら脳も大丈夫だよ」
「こんなの読んでたんだ?すげーなー。尊敬するよ」
そ、そんなに?尊敬しちゃう?じゃ、がんばるよ。
褒められたい一心で我慢して(!)読んでいたら、本当に途中から面白くなった。感謝感謝。