りつこの読書と落語メモ

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アフターレイン

アフター・レイン

アフター・レイン

★★★★

アイルランドが生んだ現代最高の短編作家、珠玉の12編。行間ににじむ余韻で登場人物の意識の動きを描き切る―トレヴァー独特の心理描写が冴える。

大好きなトレヴァーの短編集。
読んだことがある作品もあれば、未読の作品もあったのだが、前に読んだ時と印象が違うのは、自分の状態のせいなのかあるいは翻訳のせいなのか並べられ方のせいなのか。
読み終わってじんわりと悲しくなるような作品が多かったように思う。

「ティモシーの誕生日」は前にも読んだことがあるのだが、1人息子が誕生日に家に帰ってくることを楽しみにしている老夫婦と、彼らに酷い仕打ちをする息子とその友人の深い亀裂がなんとも苦しくなる。
夫婦の絆がゆるぎないことだけが救いのようにも思えるし、その2人の絆こそが息子を傷つけてきていたというふうにも思える。 親子でもこういうことってあるよなぁ…。いや、親子だからこそこういうふうになりがちなのかもしれない。

「アフター・レイン」「ギルバートの母」「一日」に流れるのも、胸が苦しくなるような孤独感だ。
なんかちょっと今の私にはしんどく感じられる作品が多かったかなぁ…。