りつこの読書と落語メモ

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パラダイス・モーテル

パラダイス・モーテル (海外文学セレクション)

パラダイス・モーテル (海外文学セレクション)

★★★★★

あーー。好き好き好き、この小説!「なんだこれ?」って怒り出す人もいるかもしれないけど、私は好きだ。大好きだ。

ある町で、ある外科医が妻を殺し、バラバラにしたその体の一部を四人の子供の体内に埋めこんだ。幼いころ、そんな奇怪な事件の話をしてくれたのは、三十年間の失踪から戻って死の床に伏していた祖父だった。いまわたしは裕福な中年となり、ここパラダイス・モーテルで海を眺めながらうたた寝をしている。ふと、あの四人の子供のその後の運命がどうなったか、調べてみる気になった…虚実の皮膜を切り裂く〈語り=騙り〉の現代文学。

この本を読もうと思ったきっかけはある人が書いていたこの本の感想。

私はこういう体験を求めて読書をしているんだって思った本。

感想が書きづらい小説なのだ。私がクリストファープリーストの「魔法」を、声を大にして薦めたいけれど、小説の中身については一言も語りたくないのと一緒で。でもこの一文を読んで、私が読書に求めているものと彼女が求めているものはきっと似ているんじゃないかなという予感、いや確信があったのだ。だからすぐに読んでみようと思ったのだ。

誰々みたい、なんていうと著者に失礼なんだけど、ジョナサンキャロルと似ていると思った。読んでいる時のわくわく感とか、何が起こるかわからない、どういう結末がまっているかわからない、そういう感じが。

「寝盗る女」を読んで以来、なんとなくどの小説も自分が今求めているものと違うような感じがしてしまっていたんだけど、この小説のおかげでまたクリアーされたような気がする。
本を読む悦びを存分に感じさせてくれる作品だ。