みんなの図書室
- 作者: 小川洋子
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2011/11/17
- メディア: 文庫
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次の世代にも残したい文学作品―いわば“文学遺産”と呼ぶに相応しい50作品への思いと読みどころを、読書家として知られる小説家・小川洋子が綴った一冊。森鴎外『舞姫』、角田光代『対岸の彼女』、チェーホフ『桜の園』、ジュンパ・ラヒリ『停電の夜に』といった小説だけでなく、児童文学やノンフィクション、詩集にいたるまで、バラエティに富んだ古今東西の名作を取り上げている。
選ばれているのが自分が若い頃に読んだ本が多かったのだが、小川さんにその魅力を語られると、「ああ、そうだったのか…」と驚きがある。
「あんまり好みじゃないわー」と切り捨てていた本も、小川さんの文章を読むと自分の浅い読み方が恥ずかしくなり、もう一度きちんと読み返してみたくなる。
独自の視点で物語の魅力を深く見つめながら、語る言葉は作家の文章そのものなので、素晴らしくないはずがない。
手元において何度も読み返したい本。
ただ、選出されている本がわりとオーソドックスな本が多かったので、もう少し直球勝負じゃない本も紹介してほしかった気がする。