りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

浅草演芸ホール6月下席夜の部

6/24(土)、浅草演芸ホール6月下席夜の部に行ってきた。

・金太郎「天狗裁き
~仲入り~
・夏丸「懐かしのCM」
・夢花「二人旅」
・コントD51 コント
・富丸「?(幼稚園のかわりに老人園みたいな噺)」
・伸治「だくだく」
・南玉 曲独楽
・南なん「寝床」


夏丸さん「懐かしのCM」
今日もきもちよ~く歌う夏丸さん。隣の列に座ったおじいさんが、最初は不機嫌な感じで聞いていたのに、徐々に身を乗り出してきて、本当に嬉しそうに一緒に口ずさんでいるのが微笑ましかった。
またしても自分の武器を自由自在に使いこなす夏丸さんを見たなぁ。寄席の夏丸さん、いいなぁ。でも独演会で緊張感いっぱいで大ネタをやる夏丸さんも見たくなった。

夢花師匠「二人旅」
店のおばあさんが、ダメなときのさん助師匠のようなエキセントリックすぎる人物像…。ってこれじゃどちらにも失礼になっちゃうか。
夢花師匠、大好きなんだけど、早口すぎて聞き取りずらいのと、エキセントリックに走りすぎるところが少し残念。

富丸師匠「?(幼稚園のかわりに老人園みたいな噺)」
4日連続で毎日寸分たがわぬ同じまくらで、笑いがおこらないと「お分かりにならない方がいる」「分からない人は置いて行きますよ」。
ダジャレがわからないわけじゃなくおもしろ…もごもご。
毎日置いて行かれっぱなしだった。


伸治師匠「だくだく」
しーんとなってしまった客席を、出てきただけで和ませる。この芝居、ずっとこれを目撃し続けているなぁ…。ここに伸治師匠が入っていてほんとによかった。
「待ってました!たっぷり!」と声がかかると「嬉しいですねぇ。そんなこと言っていただけると。でも私のこの出番ね、ひざ前っていうんですけどね、たっぷりはできないんですよ」とにっこり。

そしてそんなまくらから「だくだく」。
大好きな噺を大好きな師匠で聴ける幸せ。あれこれ言われては「おまえねぇ…」「しゅーっと出てる、そのしゅーっとは描けないよ」とあきれながら笑う「先生」が素敵。
楽しいだけじゃなくて幸せな気持ちになれる。最高。


南なん師匠「寝床」
噺家はいろんな習い事をします。
私も習いました。最初は小唄。お師匠さんが女性でね、まぁまぁきれいな方で。習ってたんですけど「個性的な歌い方ですね…」と言われ、そうこうしているうちに師匠が患ってしまって、やめました。
次が長唄。これも女性の師匠。ここでも「なんでそんな歌い方なんですか」と言われて…そうこうしているうちに師匠が患ってしまって、やめました。なぜかあたしが習うと師匠が患っちゃうんですね。
その次に行ったのが踊り。ここの師匠は気の強い人でね、ものさしで背中をぴしーっと叩いてくるんですよ。「そうじゃない!」ってんで…。そうしてるうちに、あたしの方が患っちゃいまして…。

そんなまくらから「寝床」。
長屋を一回りしてきた清三を待ってる旦那が声慣らしをちょこっとするだけで、ものすごくて笑える。
清三さんが次々言い訳をするんだけど、それがとても怯えていておかしい。一方の旦那はどんどん顔が険しくなっていく。
言い訳を出し尽くした清三に旦那が「お前は?お前はどうなんだ?」と言う時の顔がわなわなしていてめちゃくちゃおかしい。
こりゃまずいとなって番頭が旦那にあれこれくすぐるようなことを言うと「え?〇〇みたい?それは誰が言ってたんだ?」と身を乗り出す旦那。

長屋の人たちが集まってきて料理を食べているところ。「酒飲んで神経を麻痺させなきゃ」「義太夫が始まると食べ物の色も変わっちゃうから今のうちに食っておかないと!」と大慌てなのがばかばかしくて笑ってしまう。

そして実際に旦那が歌いだすところ…想像以上の迫力でおかしすぎる…。もう南なん師匠がひたすらバカバカしく攻めてくるこの噺、楽しい!!

最初から最後まで笑い通しだった。幸せ!