りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第64回特選落語会 柳家さん喬と新真打の親子会

7/10(金)、深川江戸師匠館で行われた「第64回特選落語会 柳家さん喬と新真打の親子会」に行ってきた。

・緑助「狸札」
・やなぎ「まんじゅうこわい
・さん喬「応挙の幽霊」
・小傳次「粗忽の使者
〜仲入り〜
・さん助「汲みたて」
・さん喬「船徳

さん喬師匠「応挙の幽霊」
ネタ出しされていた噺。
怖くて長い噺なのかなぁとちょっと心配だったんだけど、楽しい! 
幽霊画の掛け軸を売る約束をとりつけてご機嫌な道具屋。家に帰ってご機嫌で酒を飲む。この掛け軸のおかげで死んだ女房の供養もしてやることができると掛け軸の幽霊にもどうぞと言って酒を置いてやり線香をたてお経を詠む。
ご機嫌で飲んでいるとどこからか声が聞こえてきて何かと思えば掛け軸の中の女の幽霊が供養をしてくれてありがとうございますとお礼を言っているのである。
最初は怖がっていた道具屋もきれいな幽霊にお酌をしてもらうと喜び、二人で飲んでいるうちに夜が明けてきて…。

とにかくさん喬師匠の女の幽霊が色っぽくてかわいらしい。
あまりの幽霊のかわいさに、掛け軸を売らずにこうして毎晩一緒に飲めたら…とぐらっとくる道具屋もかわいらしい。
とても楽しかった。

小傳次師匠「粗忽の使者
いっしょに真打になったさん助師匠は自分の半年後輩。前座時代は一緒に修業をした仲だけど、彼がしくじると先輩である自分が「なんで教えてやらなかったんだ」と怒られる。しかし彼がしでかすことが、こういうことはどうやって教えたら…と困るようなことばかり。
たとえばお葬式で下足番に任命されたさん助師匠。何度も出入りするさん喬師匠に混乱してしまったらしく、入ろうとする師匠に靴ベラを渡してきた。仕方ないので師匠は靴ベラを使って靴を脱いだ…。
本人に悪気がないのが救いでしたけど…今となってはほんとに悪気がなかったのかどうか定かではありません。
そんなまくらから「粗忽の使者」。
使者も粗忽ならしゃしゃり出てくる職人も粗忽でにぎやかでとても楽しい。

さん助師匠「汲みたて」
6月鈴本でいやというほど見たさん助師匠。久しぶりに見られてうれしい。
女の嫉妬は怖いというけど男の嫉妬はもっと怖い。だから女性は男に誘われたら断らないように。 とわけのわからない(笑)まくらから「汲みたて」。

「汲みたて」は前に雲助師匠で一度だけ聞いたことがあった噺。
手習いの師匠が独り者の女なもんで、近所の若い衆がみな師匠目当てに通っている。
いつまでたってもうまくならないある男は謡をやめて最近は三味線を教わっている。というところで言い間違えたさん助師匠。お客さんがそれに気づいて笑うと自分でも間違いに気づいて「間違っちゃったじゃねぇか。動揺して。こういうこともあるんだ。でも大丈夫。師匠が最後に出てきてどうにかしてくれるから。ってなんて乱暴なことを言うんだ!」
ぶわはははは。なんだそれ。

雲助師匠の半ちゃんは確かにいい男風だったけど、さん助師匠のはちょっと微妙(笑)。
焼きもちをやいて邪魔してやろうと別の船に乗り込んだ男たちが、ムードをぶち壊しにしようと笛を吹いたり太鼓をたたいたりするのだが、その時にさん助師匠の顔が真っ赤になるのがやけにおかしくて大笑い。
さん助師匠自身が落語っぽいからすごいおかしいんだよなぁ。
最初から最後まで大爆笑でとても楽しかった。癖になるなぁ、さん助師匠の落語は。

さん喬師匠「船徳
最後はあっさりなんだろうなと思っていたらまさかの「船徳」。
最初、役者のような形をつくる徳さん。これがすごくおかしい。
おかみさんが徳さんを心配してあれこれ言うのがまた楽しい。
わがままな徳さんの魅力がつまった、とても楽しい「船徳」だった。