りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

柳家小三治独演会 市民会館おおみや大ホール

10/14(火)、市民会館おおみや大ホールで行われた柳家小三治独演会に行ってきた。

・〆治「悋気の独楽
小三治時そば
〜仲入〜
小三治「死神」

〆治師匠「悋気の独楽
〆治師匠、どうも寄席で見ると小さくて掠れた声で陰気に感じてしまうんだけど、逆にこういう大きなホールでやりなれている?とても楽しそうにやられていて客席をあたためていた。生意気な小僧がかわいらしかった。

小三治師匠「時そば
売り声のまくら。
疎開した時、氷屋が来るのが楽しみだった。あ、あれは黙って売ってたな。売り声はなかった。あ、じゃこの話は置いておいて。
あとなにがありましたかね。とんがらし屋、金魚屋、くずや…。
「こうやって言いながら売り声あったっけっておもいだしてるんです」。

そんなまくらから「時そば」。
小三治師匠の「時そば」を生で見るのはこれが初めて。
最初に登場する威勢のいい男。調子がよくてどこか胡散臭いんだけど江戸っ子らしく粋で爽やか。
それを見ていた男がことごとく失敗していくのが楽しい。
割り箸を褒めようと思うと割れた箸。そこにネギがくっついているのを着物で拭く時の大雑把さ。
だしを褒めようと匂ってもまるで香りがせず「ん?」と変な顔になるのが情けなくておかしい。
汚い器をぐるぐるまわし、つゆも味が濃くてお湯を足してくれと言いながら「でもお前のとこ、つゆ屋じゃねぇもんな」。
うどんのような太い蕎麦をぬちゃぬちゃ食べて歯の裏にくっつくのが目に浮かんできておかしい。
そのあとちくわを褒めようとするのだが見つからず「さっきからないないに探してるんだけど」というのがおかしい。 特別なくすぐりなど一つもない「時そば」だけど最初から最後まで楽しくて、よくできた噺だなぁ、としみじみ。

小三治師匠「死神」
小三治師匠の「死神」はこれで3回目。
陰気な噺だけど陰気じゃない。なにかこう人間ってしょうがないなぁ…って笑いたくなる。
特に小三治師匠の「死神」のサゲが大好き。
思わずにっこり笑うと、舞台の上の小三治師匠もにっこりしていてうれしくなってしまった。