音もなく少女は
- 作者: ボストンテラン
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2010/08/04
- メディア: 文庫
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貧困家庭に生まれた耳の聴こえない娘イヴ。暴君のような父親のもとでの生活から彼女を救ったのは孤高の女フラン。だが運命は非情で…。いや、本書の美点はあらすじでは伝わらない。ここにあるのは悲しみと不運に甘んじることをよしとせぬ女たちの凛々しい姿だ。静かに、熱く、大いなる感動をもたらす傑作。
酷い話や…。 いや、実際これが自分の日常という人がいることもわかるし、それを克明に細部まで描く筆力も凄いと思うし、その過酷な運命の中で立ち向かう女たちの姿が素晴らしいと思うし、間違いなく傑作なんだろうと思う。
だけど描かれる悪が酷すぎて、膝から力が抜けるような無力感を感じる。 あまりに救いがない。 私にはちょっとムリ、な小説だった。