幼な子われらに生まれ
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1996/08
- メディア: 単行本
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主人公は待望の赤ちゃんが生まれたところで、妻に離婚を言い渡された男。
温かい家庭を築きたいと望む彼は、やはり離婚して2人の子どもを抱える女性と再婚し、幸せに暮らしていたつもりだった。妻が彼の子どもを妊娠するまでは‥。
妊娠がわかったとたんに、反抗的な態度をとるようになってきた長女。
そんな長女が重荷に感じてきた男。
人の痛いところをついてくるなー重松清。
親として上手に振舞いたいのに、一番最悪の行動をとってしまう。
だんだん自分の気持ちが離れていって、自分でも驚くほど冷酷になってしまう。
ふだん目を向けないようにしている、自分の弱いところや未熟なところを日の当たる場所に広げられてしまったような、かなりつらい物語だ。
でも悪いところだけじゃないんだよ、捨てたもんじゃないよ、そういう救いを残してくれるところが、またたまらないのだ。