りつこの読書と落語メモ

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読んで、訳して、語り合う。都甲幸治対談集​ (立東舎)

 

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西加奈子絶賛! 『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』翻訳者、初の対談集が登場

『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治が、作家、翻訳家、研究者たちと村上春樹から世界文学までを縦横無尽に語りまくる!
さらに、語りおろしとして、芥川賞作家・小野正嗣との特別対談を収録。お互いの作品についてのコメントから、二人の学生時代までを本邦初公開!

【目次】
いしいしんじ「越境する作家たち」
岸本佐知子「翻訳家ができるまで」
堀江敏幸「文芸で越境する」
内田樹沼野充義村上春樹の“決断"」
芳川泰久「『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年』をめぐって」
柴田元幸アメリカ文学の境界線」
藤井光「マイノリティ、メタフィクション、現代小説のリアル」
星野智幸「世界とマイノリティ」
小野正嗣「わたしたちが大学生だったころ」

 面白かった。都甲さんは何度かトークショーを見に行ったこともあってとても深く深く考察をする熱い人という印象があったけど、これを読んでもそれは伝わってくる。

村上春樹の考察がここまでされていることにも驚いた。もっと翻訳寄りの話が多いと思っていたので。そして自分は全然村上作品を読みこめていなかったのだなぁとも…。
1Q84」も「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」も読んだけど、え?そういう意味がこめられていたの?とか驚くことばかりだった。
文学畑の人たちから村上春樹という作家がどう見られているのかというのも驚きがあったけど、まぁ私の場合は面白い小説が読めればそれでいいので、文学的な意味とか立ち位置には興味ないな。

個人的には岸本さんや柴田さんの選書に対する話が頷けたし、もっともっと自分で選書して翻訳できる翻訳家が増えるといいなぁと思った。

あと、星野智幸作品に都甲さんがものすごいシンパシーを感じているのが面白かった。
ここまで深く読んでくれて感想を言われたら作家さんもうれしいだろうな。
素敵だった。