りつこの読書と落語メモ

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掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

 

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

掃除婦のための手引き書 ルシア・ベルリン作品集

 

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毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。夜明けにふるえる足で酒を買いに行くアルコール依存症のシングルマザー(「どうにもならない」)。刑務所で囚人たちに創作を教える女性教師(「さあ土曜日だ」)。自身の人生に根ざして紡ぎ出された奇跡の文学。死後十年を経て「再発見」された作家のはじめての邦訳作品集。 

出版された時から評判が良かったからきっといいんだろうなぁと思ってはいたけど想像以上に良かった。
ちょっと今までに読んだことのない味。といって奇抜だとかエキセントリックだとかいうわけではなくて、直に心臓に触れてくるような…ここに書いてあるのは私のことだ!と言いたくなるような…独特の切実さ。
大事な人に守ってほしかった、辛い時にぎゅっと抱きしめてほしかった、いつも味方でいてほしかった。そんな気持ちが芯にあって、読んでいると泣きたくなる。

アル中の時期があったり破滅的な面もあるにはあるけど、優しさとユーモアに満ちているところが好きだ。

いつもいつも寂しかったわけじゃない。分かり合えたこと、愛し合えたこと、理解し合えたこともある。最後は一人なのだとしてもそれだけじゃない。そう思える物語たち。
「エンジェル・コインランドリー店」「星と星人」「ファントム・ペイン」「いいと悪い」「エルパソの電気自動車」「マカダム」「喪の仕事」「沈黙」「さあ土曜日だ」が好き。
特に好きだったのが「沈黙」。

 

青山ブックセンタートークショーで翻訳者の岸本佐知子さんからサインいただいた!しかも「あ、りつこさんって…twitterにいらっしゃる?」の言葉も!きゃっほー!

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