りつこの読書と落語メモ

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綴られる愛人

 

綴られる愛人

綴られる愛人

 

 ★★★

夫に抑圧される妻。地方に住む男子大学生。手紙だけでつながるひみつの関係、のはずだった―。むさぼるように、焦がれるように、手紙を交わす男と女。やがて、越えてはならない一線を踏み越え―。著者新境地、究極の恋愛サスペンス。 

読んでる間じわじわと嫌な感じで「うぎゃーー」と叫びたくなる。

凛子が夫との生活で感じる違和感や嫌悪感をクモオに向かって物語る気持ち。クモオがうまくいかない就職活動や彼女との関係を離れて凛子にのめりこんでいく気持ち。
自分のことのように感じられてなんともいえず居心地が悪かった。
特に凛子の夫・真哉の気持ち悪さといったら…。

結果的に凛子の方がクモオを道具にしてしまったのだが、彼女にしてもまさか相手がこんなにも「子ども」だとは思わなかったわけでそこが誤算だったのだ。

最初は嫌悪しか感じなかった真哉だがこの着地点を読むとやはりこの二人はお似合いの夫婦なのだなと思う。
なんとも気持ちの悪い話だが、手紙を送りあううちにどんどんお互いの「物語」が加速していくのは面白かった。
あれほど会いたかった相手なのに実際に会ったらその気持ちが全くなくなってしまうのも…年齢のことだけではなく、お互いに作り上げたイメージに翻弄されただけのことだったのだな。