りつこの読書と落語メモ

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国立演芸場3月上席

3/10(土)、国立演芸場3月上席に行ってきた。


・歌つを「子ほめ」
・圭花「本膳」
・小せん「紋三郎稲荷」
・めおと楽団ジキジキ 音曲漫才
・歌橘「宮戸川(上)」
・藤兵衛「仔猫」
~仲入り~
・ホームラン 漫才
・歌る多「替り目」
・ダーク広和 マジック
・南喬「幾代餅」


歌つをさん「子ほめ」
よく通る大きな声で素直な気持ちのいい落語。好きなタイプの前座さん。


圭花さん「本膳」
交互出演の二ツ目さん、なぜか私が行った日は全部圭花さんだった。
ちょっと変わった噺を聞けてラッキー。伸びやかな落語で好きだなぁ。


藤兵衛師匠「仔猫」
初めて聞く噺。
あるお店の女中、おなべさん。器量はよくないけど力持ちで働き者。
時間がかかると思った店の大掃除もおなべが手伝ってくれたからこんなに早く終わった。自分が粗相をして押入れに仕舞い込んでいたふんどしもおなべが洗ってきれいにしてくれた、と店の者の評判もいい。
でも私おなべについてはちょっと気になることがありまして、と一人の奉公人。
夜におなべが畑のあたりをうろついて口のまわりに血をつけて戻ってきた姿を見たことがある、と。
番頭も、そういえば私も夜中はばかりに行くときおなべの部屋をのぞいたらもぬけの殻で、ふと外を見るとおなべがすごい形相で立っていたのを見たことがあった、と。
それを聞いた店の主人が、そんな者に家にいてもらうわけにはいかない。暇を出そう、と言う。
番頭は、だったらおなべの荷物を調べて何かあやしげなものがあったらそれを証拠に暇を出しましょう、と助言する。
おなべが奥様の芝居見物に付いて行った隙に二人でおなべの荷物を調べると、一番下に血の付いた獣の毛が隠されていた。これは尋常ではないとおなべに暇を出すことに。

暇を出すと告げられたおなべは理由を聞くと番頭は適当な嘘をつく。
それは嘘だろうとおなべは身の上話を始めるのだが、自分の父親が狩人で獣を殺して稼いでいたその因果なのか、自分はある時たまたまけがをした猫の血を吸ったことがきっかけになって生き物の血を吸うのが楽しみになってしまった。

それを聞いて番頭が「なんだ。人間に悪さをするわけじゃないんだな」と。

…ちょっと怪談じみた噺で、前に談幸師匠で聞いた「腕食い」と似たテイスト。
こういう変わった噺を聞けるとほんとに嬉しいなぁ。
楽しい噺じゃないけど面白かった。


南喬師匠「幾代餅」
今はなくなった病気に「恋煩い」というのがある。女性が恋煩いなんていうと実に色っぽくて良いけど、男の恋煩いっていうのはあんまりきれいなもんじゃない。ぼーっとして髭なんかも伸び放題になってそれでごはんを食べるもんだから髭にごはんがくっついて余計に汚い。男の恋煩いなんてちっともきれいなもんじゃなくてまぬけなだけ。

そんなまくらから「幾代餅」。
最初から最後まで落語の世界で、この噺を聞くと時々感じるお尻がムズムズする感じが全くなかった。よかった~。
清蔵がご飯も薬も飲まないと聞いて「しょうがねぇなぁ、あいつは」と言っておかみさんに様子を見に行かせるところ。
おかみさんが清蔵が恋煩いと聞いてげらげら笑うところ。
過剰じゃなくて、ごくごくあっさりしているのに、じんわりと情が伝わってくる感じ。
清蔵の恋煩いぶりもなんかまくらで言ってたみたいにかっこ悪くて…でも素朴でまじめなのが伝わってくる。
花魁とのシーンも変わった台詞は一つもないのに、なんか素直に聞くことができた。花魁に告白するところ、嫌らしいところが全くなかったなぁ。

うーん。いいっ!なにがどう…というのうまく言えないけど、こういうこともあったんだよという物語として素直に聞いてじーんときた。よかったー。

 

南喬師匠の落語をyoutubeで発見!


落語 「 ちりとてちん 」 桂南喬