りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

沈むフランシス

沈むフランシス

沈むフランシス

★★

森をつらぬいて流れる川は、どこから来てどこへ向かうのか――。『火山のふもとで』につづく待望のデビュー第二作。北海道の小さな村を郵便配達車でめぐる女。川のほとりの家屋に暮らし、この世にみちるさまざまな音を収集する男。男が口にする「フランシス」とは? 結晶のまま落ちてくる雪、凍土の下を流れる水――剥き出しの自然と土地に刻まれた太古の記憶を背景に、二人の男女の恋愛の深まりを描きだし、五官のすべてがひらかれてゆくような鮮烈な中篇小説。

「火山のふもとで」と比べると正直なんだかなぁ…。
主人公は女だけど、隅から隅まで頭でっかちな男が書いた恋愛小説という感じがしてしまって、まったく響いてこなかった。

なんか気持ち悪い、ここに出てくる男。
ベッドにマイクを仕掛けたりっていうのもそうだけど、確信犯的なやり方が嫌。暴力的な匂いを感じて嫌悪しか感じなかった。
文章は美しいけれど上っ面だけというか。ちょっと残念でしたわ、私的には。