りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

紙の民

紙の民

紙の民

★★★

上空から見下ろす作者“土星”の存在に気づき、自由意志を求めて立ち上がった登場人物たち。ページの上で繰り広げられる奇想天外な「対土星戦争」の行方は?メキシコ出身の鬼才による鮮烈な処女小説。

これはきっと好みに違いないと思って二重丸をつけて楽しみに読んだ作品。 だったんだけど。
…疲れたよ、ママン…。だめだったよ、ママン…。ごめん。ばたっ…。

もうまるでなにがなんだか私には理解できず…。
一つ一つのエピソードは心にじんと響くものはあるんだけど、世界観というか全体像が見えてこないの。
比喩なのか現実(物語としての)なのかもわからず、でもどうやら「土星」というのは物語を書いている作者のことらしく、物語の登場人物たちが作者に戦争をしかけているようなのだが、それもなんだかどちらからどちらを見るべきなのかもよくわからず、わからないままに読み終わってしまった。

最後まで私も彼らをとりまく小さな星のひとつでしかなかったのかも…。
仲間に入れなくて寂しかったよ。