りつこの読書と落語メモ

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週末

週末 (新潮クレスト・ブックス)

週末 (新潮クレスト・ブックス)

★★★★

かつて赤軍派テロを首謀した男が、恩赦を受けて20年ぶりに出所した。姉は郊外の邸宅を準備し、旧友たちを呼び寄せる。密告者は誰だったのかと訝る元テロリスト。遠い日の失恋に思いをめぐらすジャーナリスト。9.11テロについて考え続ける英語教師。旧友たちの和解を願う女性牧師。そして、邸宅に現れた謎の若者。やがて苦い真実が明らかになり、未来への祈りが静かに湧き上がる―。『朗読者』の著者による「もう一つの戦争」の物語。

自分の信じてきた正義のために何人もの人を殺めてきたテロリストが恩赦によって釈放される。
親代わりになって彼を育ててきて尋常じゃないほどの愛を注いできた彼の姉は、彼がスムーズに社会復帰できるようにと、学生時代左翼運動をともにし今は社会的に成功している友人たちを家に招く。
またそこには彼女が招きたくなかった、彼を新しい運動の頭に祭り上げようと考える革命家や謎の青年も加わって…。

自分の信じる正義のために人を殺めてきたテロリストに贖罪はあるのか?
誰が彼を密告したのか?
途中からやってきた感じのいい青年は何者なのか?

20年間の刑期を終えて戻ってきたテロリストとその友人たち。
それぞれの背負ってきたもの失ったものが交錯し火花を散らす緊迫感は、まるで舞台を見ているよう。
また、彼のために集まった女教師が描く小説がとても効いていて、物語に深みを与えている。

これは文句なしに面白かった!
今まで読んだシュリンク作品の中で一番好きだった。
というか、実はこの作家あまり好きじゃないのかも?と思いながらも、すごい作家であることは間違いないから勿体無いから読んでおこうと思って今まで読んできた、というのが正しいか。
今まで自分が書いた感想を読んでみたら、どれももやもや〜としていて(え?いつも?)、ちょっと笑った…。

・朗読者
・逃げていく愛
・帰郷者