そんな日の雨傘に
- 作者: ヴィルヘルムゲナツィーノ,Wilhelm Genazino,鈴木仁子
- 出版社/メーカー: 白水社
- 発売日: 2010/06
- メディア: 単行本
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46歳、無職、つい最近、彼女に捨てられた。どこにも居場所がない…。頭に浮かぶのは、「人生の面妖さ」をめぐる妄想ばかり。重いけれど軽やかな、「靴男」の果てしないモノローグ!“ビューヒナー賞”受賞作品。
無職のインテリって性質悪い〜。
頭でっかちなネガティブくんのうだうだぶつぶつは大嫌いなんだけど、ここまでネガティヴだとむしろ小気味いい。
なーんにもしないで、ああだこうだと頭の中で思考をこねくり回していると、もうなにがなんだかわけがわからなくなってきて、自分が狂気の一歩手前にいるようなぞぞぞ〜っとする感じに襲われる時があるけど、これもそう。
でもなんか思わず「ぷぷっ」と笑ってしまうようなユーモアがあって、そこに救われる。
頭がおかしくなっていそうなのに、案外行動がジェントルマンなところも笑える。
そしてなぜか読み終わった時、少し前向きな気持ちになっているという不思議。
ラストシーンがとってもいい。これで物語の98%ぐらいを占めていたネガティブ大盤振る舞いも帳消し?!