りつこの読書と落語メモ

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少女外道

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★★★★

この感覚は、決して悟られてはならない。人には言えない歪みを抱きながら戦前~戦後の日本をひとり生きた女性を描く表題作のほか、ラスト一頁で彼岸と此岸の境を鮮やかに越える「巻鶴トサカの一週間」など、名手・皆川博子の傑作短篇七篇を収録。


生と死というのは案外近いところにあって、生の側にいる私たちは死への興味やおそれを抱きながら生きている。

死を意識しながら生を全うしようとするのが健全な生き方というのであれば、この物語に出てくるのはみな不健全な人たちだ。


そういう意味では私が苦手とする系統の物語ではあるのだが、目が離せないし魅了されてしまう。

特に戦争という日常的に死に近いところにある人たちを描いた作品が秀逸だった。