りつこの読書と落語メモ

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幽霊の2/3

幽霊の2/3 (創元推理文庫)

幽霊の2/3 (創元推理文庫)

★★★★

出版社社長の邸宅で開かれたパーティーで、人気作家エイモス・コットルが、余興のゲーム“幽霊の2/3”の最中に毒物を飲んで絶命してしまう。招待客の一人、精神科医のベイジル・ウィリング博士が、関係者から事情を聞いてまわると、次々に意外な事実が明らかになる。作家を取りまく錯綜した人間関係にひそむ謎と、毒殺事件の真相は?名のみ語り継がれてきた傑作が新訳で登場。

「復刊リクエスト第1位作品」という謳い文句につられて読んでみた。
いやぁなんていうかいいねぇ、この時代のミステリーって。ミステリーというより、あえて推理小説と呼びたい感じ。 登場人物もほんの数名でキャラクターがはっきりしているので私のような鳥頭でも十分把握できるし、善悪もはっきりしているのでとっても安心してゆったりした気持ちで読める。

たとえばこれの対極にあるのが、リンカーンライムシリーズやフロスト警部なんじゃないかと思う。
登場人物がたくさんいて、幾つもの事件や幾つものストーリーが同時に進行していて、あっちこっちに罠があって危険があって、ハラハラドキドキの連続で飽きさせなくて、それらが最後一気につながっていく。
集中して読まないと誰が誰なんだか、何がどうしたんだかわからなくなっちゃう。

もちろんそういうサービス満点の小説も大好きなんだけれど、この小説のように、シンプルなミステリーもいいよね。 シンプルだけど、プロットがしっかりしているから「ああ、そういうことだったのか!」という驚きもあるし、納得もできる。
最後まで読んで、このタイトルの意味がようやくわかった時の気持ちよさといったら…。 他にも訳されているようなので、大事に読んでいきたいと思う。