りつこの読書と落語メモ

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八日目の蝉

八日目の蝉

八日目の蝉

★★★★★

逃げて、逃げて、逃げのびたら、私はあなたの母になれるだろうか−−理性をゆるがす愛があり、罪にもそそぐ光があった。家族という枠組みの意味を探る、著者初めての長篇サスペンス。

読み始めて「うわっ、こりゃしまった」と思った。
つらい…つらすぎる…。こんな小説読みたくなかった…。少なくとも今はこういう小説を読む気分じゃない。
途中で投げ出しちゃおうかと思いながら、しかし読み始めたら止まらなくなった。

主人公は、不倫相手の赤ん坊を誘拐して逃げる女。
とてもじゃないが共感できない。共感できないのだけれど、でも嫌いになれない。気がついたらまるで自分が彼女になって逃げているような気持ちになって読んでいた。

そしてこの小説の第二部。誘拐された赤ん坊だった「薫」の側の物語がもう実に素晴らしいのだ。
ラストはもう泣けて泣けてしょうがなかった…。

いい小説を読んだ…。最後まで読んでしみじみそう思った。