りつこの読書と落語メモ

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バルタザールの遍歴

バルタザールの遍歴 (文春文庫)

バルタザールの遍歴 (文春文庫)

★★★★

「今朝起きたらひどく頭が痛んだ。バルタザールが飲みすぎたのだ」一つの肉体を共有する双子、バルタザールとメルヒオールは、ナチス台頭のウィーンを逃れ、めくるめく享楽と頽廃の道行きを辿る。「国際舞台にも通用する完璧な小説」と審査員を瞠目させ、第3回日本ファンタジーノベル大賞を受賞したデビュー作。

私にとったら「ミノタウロス」に続いて2作目の佐藤亜紀。こちらはデビュー作にして日本ファンタジーノベル大賞受賞作品ということで、前から読んでみたかったのだ。
舞台はウィーン。没落した貴族。一つの身体に共棲する双子の兄弟。裏切りと暴力。
ミノタウロス」とやはり似たような雰囲気だけれど、こちらのほうが私は好きだな。どこまでも暴力的で救いがなかった「ミノタウロス」に比べて、こちらのほうがユーモアもあるし、物語の中に仕掛けがたくさんあって楽しめた。
でも物語として好きかと聞かれると、うーん…。ってそういう意味では「ミノタウロス」とほぼ同じ感想なんだな。圧倒されるし凄い!と思うんだけど、好きかと問われると好きじゃないんだよな。でも多分またしばらくしたら他の作品も読んでみると思う。