りつこの読書と落語メモ

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コーデックス

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★★★

休暇中に公爵家の蔵書を整理することになった銀行員のエドワード。そこには『キムメリア人の国への航海』という、14世紀に書かれた幻の古写本があるはずだという。もしそれが発見されればものすごい価値を持つという書物だ。いったいそれはどんな書物なのか?本当にここにあるのか?そしてなぜ公爵夫人はそれを捜しているのか?エドワードは中世学専攻の女子学生マーガレットの力を借りて、すべての謎解きに挑むのだが…。

幻の古書探し、現実とシンクロしていく摩訶不思議なPCゲーム、古書に関する薀蓄、謎に包まれた公爵(残忍?)と公爵夫人(精神薄弱?)、一途に古書探しに打ち込むマーガレットに徐々に惹かれていく主人公と、いかにも私の好きそうな題材なんだけど…うーん…あんまり面白くなかった。
探している幻の古書にもPCゲームにもそれほど魅力を感じられなかったんだなぁ…。これって致命的だな、こういう題材を扱った本の場合。

私自身が幻の古書にもゲームにもそれほど夢中になれないから、主人公がだんだんそれらにのめり込んで行って現実生活が危うくなっていくということに、必然性を感じられなかった。
読んでいる自分も、その古書とゲームにのめり込んでいって、現実と本との境界が危うくなるぐらいのトリップ感が味わえたらよかったんだけどね…。そういう意味では「抱擁」に出てくる物語の中の物語には夢中になったし、シャルビューク夫人の語る物語にも夢中になったし、だからこそ主人公に気持ちが寄り添うことができたんだと思うのだ。

本棚の「薔薇の名前」や「抱擁」の横に置くべき。(ニューヨーク・タイムズ・ブック・レビュー誌)

とあるけど、「抱擁」ほど、物語としての厚みはなかったんじゃないかなぁ。って(人間的にたいして厚みのない)私の勝手な感想ですが。
ラストもなんとなく予想がついて、あんまりびっくりしなかったなぁ。

直前に読んだ「シャルビューク夫人の肖像」が、ちょっと似たような趣向の小説で、こちらがすごーーく良かっただけになんとなく「薄く」感じてしまった、というのもあるかもしれない。