りつこの読書と落語メモ

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棄ててきた女

★★★★★

アンソロジーが好きだ。
それは昔、気の合う(かつ趣味も合う)友達が自分のお気に入りの曲ばかりを集めたカセットテープ(←時代を感じさせる…)をプレゼントしてくれた時のようなわくわく感がある。
どんなアーティストのどんな曲を選んでくれたんだろう?友の魂に触れることができるかもしれない。(←おおげさ?)そしてもちろん一番の楽しみは、この中に自分が今まで知らなかった「お宝」があるかもしれない、というわくわくだ。
選んでもらうのもうれしかったけど、誰かのために選んであげるのも楽しかったよなぁ…。今の子はそういうこと、しないんだろうか?

異色作家短編集というシリーズを特に意識したことはなかったのだが、見てみたところ何冊か読んだことがあったみたいだ。読んだことがあるのはこんなところ。

虹をつかむ男 (異色作家短篇集)

虹をつかむ男 (異色作家短篇集)

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

一角獣・多角獣 (異色作家短篇集)

読んでないやつも全部読みたい。特に読みたいのが、ダールとフィニィだな。
で、「棄ててきた女」

オリジナル・アンソロジー第二弾にあたる本巻には、長いゴースト・ストーリーの歴史を誇る英国の作品を集める。伝統のジャンルを継ぐ怪奇作家から文芸作家の作品まで、背筋も凍る全十三篇を収録。
【収録作品】時間の縫い目(ジョン・ウインダム)/水よりも濃し(ジェラルド・カーシュ)/煙をあげる脚(ジョン・メトカーフ)/ペトロネラ・パン−−幻想物語(ジョン・キア・クロス)/白猫(ヒュー・ウォルポール)/顔(L・P・ハートリー)/何と冷たい小さな君の手よ(ロバート・エイクマン)/虎(A・E・コッパード)/壁(ウィリアム・サンソム)棄ててきた女(ミュリエル・スパーク)/テーブル(ウィリアム・トレヴァー)/詩神(アントニイ・バージェス)/パラダイス・ビーチ(リチャード・カウパー

ここに選出されている短編はほんとにどれも好みだった〜。ということは趣味が合うね?若島正。(←呼び捨てか!)
ほとんど知らない作家ばかりで、知っているのはウィリアム・トレーヴァーとミュリエル・スパークぐらい。
こういうちょっと不気味で不思議な物語って本当に好きだ。SF寄りな(だよね?)奇想コレクションとはまたちょっと趣旨が違っていて、こちらはどちらかというと「ゴシック」と呼ばれる部類に入るのだろうか。

迷い込んだ水夫が狂人の医師に手術をされる「煙をあげる脚」。なんかこれってパトリック・マグラアっぽい。こんな風にいろんなテイストの小説に混じって1作入ってる分にはいいんだよなー。おおっ、なんか面白いぞーって思うんだよなー。でもそればっかりだとね…。>失われた探険家。ってこれはマグラアの作品じゃなくて、ジョン・メトカーフの作品。

ラストを読んで背筋が凍る「何と冷たい小さな君の手よ」。これこわい…。最終話に収められた「パラダイス・ビーチ」。これも後からじわ〜ぞわ〜とくる作品。こんな風に殺されたくないなぁ…。

そしてなんと言っても私がこの中で一番好きだったのは表題作の「棄ててきた女」。驚くほど短くてそしてこのラスト!さすがミュリエル・スパーク。変だよなぁ。独自だよなぁ。もっと読みたくなったぞ、スパーク。