母の発達
- 作者: 笙野頼子
- 出版社/メーカー: 河出書房新社
- 発売日: 1999/05
- メディア: 文庫
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殺しても母は死ななかった。「あ」のお母さんから「ん」のお母さんまで、分裂しながら増殖した―空前絶後の言語的実験を駆使して母性の呪縛を、世界を解体する史上無敵の爆笑おかあさんホラー。純文学に未踏の領野を拓いた傑作。
あはははは。なんじゃこりゃ。
子どもを支配するにもほどがある母(しかも名前が…!)とその娘ヤツノの物語。
第一話「母の縮小」はまだ付いて行けた…。
自分が大人になるまでは「母親に支配されている」感覚は常にあったし、特に思春期の頃は母は自分の前に立ちはだかる壁で、母の感情に自分の生活を左右されることを不条理に思ったこともあった。
こんな風に母が化け物のように見えることもあったし、どうやったら母にダメージを与えることができるかと沸々と考えたり暴力的な想像にふけることもあった。
だからヤツノに共感することもできた。
でも第二話「母の発達」になると、もう飛躍が激しすぎて共感どころではなくなって、ただただ呆気にとられ、げらげら笑い、「もうちょっといいかな…」と引いた気持ちになり。
第三話までいくと、「ああ、でもやっぱりそういうことだったのかな」とちらっと思いつつも、「なんかよくわからんかった…」の方が勝る感じ。
シュールっていうかアバンギャルドっていうかなんていうか…。
面白くなかったわけじゃないけど、私は苦手な部類の小説。