The MANZAI
- 作者: あさのあつこ
- 出版社/メーカー: ジャイブ
- 発売日: 2005/12/01
- メディア: 文庫
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長女が森絵都が大好きで森絵都の本だったら夢中になってテレビも見ないで読むということを知ったのが半年ほど前。この子は全然本を読まないんだなぁと思っていたので、ちょっとうれしかった。
私はとにかく本が大好きな子どもだったので、小学5年生ぐらいの頃は子どものための文学全集を読み漁り、ルパン、ホームズ、クリスティといった推理小説に夢中になり、横溝正史にはまって一日1冊のペースで読み、「今ぐらいの時期にこんな風に本を読むのは危険」と担任に言われたほどだった。
なので、私は本を「読まなきゃいけない」と思ったことってないんだな。本を読むことがエライという思いも全然ない。ましてや「本を読めば賢くなる」なんて全然思わない。だって私全然賢くならなかったからね…。わははは。
本は読みたくて読むものっていう頭があるから、子どもに敢えて読書をすすめるっていうことを今までしたことはなかったんだ。
でも、ムスメが寝食忘れて本を読みふける姿を見ると、「おお、同志よ…」というものすごい幸福感に包まれるのだよ。それがわかったので、この子が喜びそうな本をちょっと与えてみるか?という気持ちがむくむくと沸いてきて、それでこれを与えてみたのだ。
そうしたら「ふーん…」と読み始めた長女。すぐに夢中になってテレビも見ず、お風呂からあがったら髪の毛も乾かさず読んでいる。ほっほー。やっぱり「好み」だったんだ。ちょっと達成感。
実はあさのあつこを読んだことがない。もともと私あんまり日本の作家を読まないんだよな。でも長女があそこまで夢中になるってことは結構面白いのかもと思って、どんなもんか読んでみた。とりあえず買ってきた3巻全部。
いやー読みやすい。登場人物が魅力的でイキイキしていて、会話が多くて、文章にイキオイがあって、確かに夢中になって読めてしまう。
そして思った。小学5年生ぐらいでこういう本を読んでおくっていうのは、とってもいいぞ、と。この小説にあんなふうに夢中になれるっていうことは、長女も捨てたもんじゃないんじゃないか、と思ってしまったのだ。
自分のなかの説明のつかないモヤモヤした気持ち。友達といて感じる孤独、喜び。わかってもらえてうれしい感じ。なんか違っていていらいらする感じ。そういうの、こういう本を読んで「ああ、私だけじゃない」「こういうのってあるんだ」って知ることが、実はすごい力になるんじゃないかなと思った。
今度はどんな本を与えてみようか。そんな観点で本を選ぶのもなんか楽しい。