りつこの読書と落語メモ

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ケミストリー

ケミストリー

★★★★

ボストンの大学院の研究室で日々実験を重ねるも得意だったはずの化学の研究はうまくいかず、博士号取得はドロップアウト寸前。同棲中の彼からのプロポーズにも答えが出せず…。血のにじむ努力で中国から移民してきた両親の期待に応えられない自分を持てあます、リケジョのこじれた思いが行きつく先は―。ユニークな語り、削ぎ落とされた文章から滲みだすあたたかさが胸を打つ、愛と家族と人生のものがたり。中国系アメリカ人作家のデビュー作。PEN/ヘミングウェイ賞受賞 

血のにじむような努力をして中国からアメリカへ移民してきた両親のもとに育ち、がり勉と陰口を叩かれながらも博士課程まで進んだ女性。
同じ研究室の先輩と同棲しプロポーズを受けながらも結婚に明るい未来を抱けずイエスと返事をすることができない。
研究も行き詰まりドロップアウト。そのことを両親に告げることもできない。

両親が不仲で自分への期待の大きさや目に見えた愛情表現を受けずに育ったことによる気難しさはあるものの、彼女自身は親のことをちゃんと分かっていて赦しているのが救いだった。

前半は、うだうだ小説?とイライラしたけど、徐々にこの主人公が好きになってきた。

それにしても新潮クレストでこういう作品は珍しいような気がする。