りつこの読書と落語メモ

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路地裏の子供たち

 

路地裏の子供たち

路地裏の子供たち

 

 ★★★★

うらぶれた路地裏が冒険と発見に満ちていた子供時代を叙情豊かに描くデビュー短篇集。夏になるとどこからか現れる行商人の秘密を知った「パラツキーマン」。高架下の廃屋でたくさんの鳥たちと暮らす風変わりな男との邂逅を描く「血のスープ」。少々ネジが飛んでいるけれど子供たちのいい遊び仲間だった「近所の酔っ払い」。人生の岐路に立った少年二人が夜更けの雪の町をさまよう「長い思い」。映画の恐怖が現実に忍び込んできて逃げ惑う少年を描く「ホラームービー」。不思議な生業を営む叔父との奇妙な日々が胸を打つ結末に行きつく「見習い」など珠玉の11篇に、日本版特別寄稿エッセイを収録。 

 「シカゴ育ち」を読んだのはもう20年前だったか。これはダイベックのデビュー作とのこと。

短編集だが、問題を抱えた家庭の子供の話が多い。

悪い方悪い方へと自ら進んで流れていったり、逃れてきたはずの故郷へ戻ってきたり、ドロップアウトした友だちを見捨てたり、あるいは見捨てられたり。違う国の話なのになぜか懐かしい。それもノスタルジックに浸るような懐かしさではなく、せっかく今まで忘れていたのにと腹が立ってくるような懐かしさ。

面白かったけどちょっと絶望。