りつこの読書と落語メモ

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これからはあるくのだ

 

これからはあるくのだ (文春文庫)

これからはあるくのだ (文春文庫)

 

 ★★★★

自分が住んでいる町で道に迷い、路上で詐欺にひっかかり、飛行機が嫌いなのに海外旅行に出かけてしまうカクタさん。騙されても理不尽な目に遭っても自らの身に起こった事件を屈託なく綴るエッセイ集。そのボケッぷりとユニークな発想は、少女時代から大炸烈!大人になってよかった、と思える一冊です。  

軽めのエッセイが多いので少し物足りないけれど、安定の面白さ。

相変わらずタイトルが秀逸だが、読み終わってこの言葉にこめられた角田さんのやり場のない怒りがわかると、なんてひどい!とやり場のない怒りにかられるのだが、でもちょっと笑ってしまう。
怒るのが下手で怒られるのが苦手な角田さん。決して笑えるような出来事ではないのだが、でもそれをじっと黙って耐えて、握りこぶしを作りながら「あるく」決意に変える角田さんが大好きだ。

最後に収められた「孤独」についてのエッセイがたまらなく好き。

友と手をふってわかれて上機嫌でベッドへもぐりこみ、幸せな眠りをむさぼって、それでもときおり、ずうずうしい同居人のように部屋に居座った孤独と、しみじみ顔をあわすことがある。まさに自分の位置と同じ質量の孤独である。