りつこの読書と落語メモ

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大江戸悪人物語2017-18 episode1

2/20(月)、日本橋社会教育会館で行われた「大江戸悪人物語2017-18 episode1」に行ってきた。

・茶光「時うどん」
・松之丞「慶安太平記ー生い立ち〜紀州公出会い」
〜仲入り〜
・龍玉「真景累ヶ淵ー宗悦殺し」

茶光さん「時うどん」
この会が悪人をテーマにしてますから、私も前座ですが数えるほどのレパートリーの中から悪人の噺を。
そう言って「時うどん」。
兄貴分から一文かすめたやり方を聞いた弟分が「お前…悪人やなぁ!」と溜めて言ったのには笑った。たいした前座さん。

松之丞さん「慶安太平記ー生い立ち~紀州公出会い」
寄席以外で松之丞さんを見るの久し振り。私が見てない間に売れっ子になっちゃって!
久し振りに見て、あれ?太った?(私も人のことは言えないけど)
「私…みなさんお気づきだと思いますけど、太りまして…今91キロあります」。
会場がざわつくと「やめてください。そのさざ波のような反応」。
家にある体重計が体重だけでなく体脂肪や筋肉量やいろんなものを計れるらしいのだが、それで体年齢を見たら53歳だった。もういいおっさんやん。
講談師として考えたら円熟味が増す頃。でもそれが芸はまだそんなでもなく体が円熟しきっちゃったって…。
しかもそんなところにananの取材が。
ホームページのシャープな頃の写真を見てオファーしてきたに違いない。
でも日にちもないし取り繕うすべもなく取材場所に出掛けていくと、いかにも業界人ぽい人たちがあれ?で、デブが来たぞと。明らかにデブだぞと。そんな反応。
で、これはもう私服もダサいし洋服は無理!と思われたらしく、さっさと着物に着替えさせられ、黒紋付きとか光当てたり角度変えたりして、どうにかこうにか。あとは多分修正入るでしょう。顔の辺りはこうしゅっと削ったり、腰回りもこう余分な肉をしゅっと削って。
本人そのものじゃない写真を楽しみに見てください。

…ぶわははは。相変わらずまくらがキレキレだなぁ。ほんとに面白いんだよなぁ。それでハードルをがっと下げておいて、講談に入るんだよなぁ。すごいわ。

そんなまくらから「慶安太平記ー生い立ち~紀州公出会い」。
まずは発端ということで由井正雪の誕生秘話から幼少期の話。
正雪は武芸だけにとどまらず、学問、書、絵画と習い事全てにおいても完璧で見聞を広げようと西方へ旅に出る。旅の途中でたまたまでくわした紀州公の目に留まり城へ置いてもらうようになるのだが、徳川のお目付け役である安藤に、本性(悪性)を見抜かれ城を出される…。

ここぞというところは息もつかせぬ勢いでたたーん!と語りこんできてとても迫力がある。でもずっとそれではなくて、時々ギャグを入れてふっと力を抜かせるなど、自由自在。
成金とかはなんかもう大変そうだから行く気になれないけど、こういう会で定期的に松之丞さんを見られるのはいいかもしれない。

龍玉師匠「真景累ヶ淵ー宗悦殺し」
真景累ヶ淵ー宗悦殺し」は馬治師匠で一度見たことがあって、続きが聞きたい!と思っていたので、この会に通えば最後まで聞くことができるというのはありがたい。
龍玉師匠の方は声を張ったりせず、淡々とした語り口なんだけど、その分凄みがあって恐い。
宗悦も一癖ありそうだし、深見新左衛門も身勝手な奴がなまじ中途半端な権力を持つとこうなってしまうんだな、という嫌な感じがありありと。
前に聞いたときは殺された宗悦の死骸を樽にいれて運ぶところまで?だったが、今回はその続きも。
夫が宗悦を殺したことを知っている妻は床に臥せてしまい、息子も呆れ果てて家を出てしまう。お手伝いとして家に入ってきたお熊が新左衛門に言い寄りいい仲になる。
ある日新左衛門が妻の療治にと按摩を呼ぶのだが、この療治を受けた妻はますます具合が悪くなる。
次の日に通りかかったのが別の按摩で、新左衛門が肩を揉ませてみると刺されるように痛い。何事かと振り返ってみるとこの按摩が1年前に殺した宗悦。化けて出たかと斬りかかるとそれは宗悦ではなく妻。
乱心した新左衛門は隣の屋敷に暴れ込み、そのまま殺されてしまう。
 
…あーひどいひどい(笑)。こういう噺をことさら落語で聴きたいとは思わないんだけど、まあそれはそれ。一度乗りかかった船だから(ら?)頑張って通って最後まで聞きたいもの。