本当はちがうんだ日記
- 作者: 穂村弘
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/09
- メディア: 文庫
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自意識が強すぎて身のこなしがぎくしゃくしている。初対面の人に「オーラがない」と言われてしまう。エスプレッソが苦くて飲めない。主食は菓子パン。そんな冴えない自分の「素敵レベル」を上げたいと切望し続けて、はや数十年。みんなが楽々とクリアしている現実を、自分だけが乗り越えられないのは何故なのか?世界への違和感を異様な笑いを交えて描く、めくるめく穂村ワールド。
うるさいほどの自意識を持ちながらトータルしてみると無頓着なのが面白い。
世の中をうまく泳げない自分を嘆きつつも、そのこと自体をそれほど大事なことには思っていないのでは?という気もする。
なぜそう思うかというと自分もそうだから。
こんな風だからいつまでたっても大人になれない。
もう「本当はちがうんだ」「まだ本番じゃないんだ」と言ってられない年齢になってしまったけど、これまでがこうだったからこれからもこうなんだろうなという開き直りにも似た気持ち。
げらげら笑えて時々辛辣さが見えてどきっとしてちょっと考えさせられて。
大好きです。ほむほむのエッセイ。