りつこの読書と落語メモ

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第三回 吉坊・一之輔二人会

7/1(月)、内幸町ホールで行われた吉坊・一之輔二人会に行ってきた。
吉坊師匠(さん?師匠?)は以前紀伊国屋ホールで行われた第二回新撰三人会で見たことがあって、スピード感のある語りがとてもよかったので楽しみにしていたのだ。
上方落語はなかなか見る機会がないのだが、好きなんだよねぇ。

・まめ緑「桃太郎」
・吉坊「植木屋娘」
・一之輔「佃祭」
〜お仲入り〜
・一之輔「粗忽長屋
・一之輔「骨釣り」

まめ緑さんは花緑師匠のお弟子さんらしい。
笑いどころのほとんどない「桃太郎」だった…。こういう生意気な子どもの噺を嫌味なく面白くやるのは難しいんだろう。

吉坊師匠の「植木屋娘」。
「植木屋娘」は以前テレビで歌武蔵師匠がやらているのを見たことがある。

植木屋と言いながら二千両の財をなしたというからかなりやり手の親方。文字が書けないので時々お寺の住職に書き出しを頼みに行くのだが、あいにく住職が手が離せない。短気な親方はこれっぽっちも待てないと言うので、お寺に住み込んでいる伝吉に頼んで代わりに行かせる。
気が利く伝吉は書き出しだけではなく帳面のつけ方やそのほかのことにも相談に乗ってくれるのですっかり親方のお気に入りに。

この植木屋にはおみつという娘がいるのだが親に似ず別嬪で近所でも評判。
悪い虫が付く前に婿養子をとって自分たちは隠居しようじゃないかと親方。その相手にと目をつけたのが伝吉。
おみつも伝吉を悪からず思っているということがわかったので早速お寺に交渉に行く親方。 しかし住職は、伝吉は武家育ちでいずれは家を継ぐ身だから、植木屋なんぞに婿養子にやるわけにはいかない、とにべもない。
頭ごなしに断られて面白くない親方は、「いい考えがある」と…。

これ、歌武蔵師匠のを見た時は、あまり好きな噺じゃないなぁと思った。娘と伝吉をくっつけさせようという親方のやり方が好きになれなかったのだ。
でも不思議なことにこれを関西弁でやられるとそれほど嫌な感じがしないのだな。
吉坊師匠の「親方」がとにかくいらちでおっちょこちょいでかわいいのだ。

一之輔師匠の「佃祭」。
まくらで「仕込み」をした後に、「ねぇ。こういう仕込みをやらなきゃいけないのがいやなんですよ。仕込みをしないとわからないっていうのが…。しかも笑いどころがあんまりないし。こういうの面白いですか?ほんとに聴きたい?」と一之輔師匠。わはははは。
こうやってぶっちゃけて自分でハードルあげるんだよなー。でもそうしておいてしれっとやる心臓の強さが魅力だなぁー。

初めて聞いた噺だったのだが、面白かった!
きっともっと人情深くやる噺なのだろうが、一之輔師匠のは人情より笑い重視。でも笑い重視しても人情のところを打ち消してないから好きだな。

仲入り後、一之輔師匠の「粗忽長屋」。
一之輔師匠の「粗忽」は、シベリアンハスキーの目をした粗忽。そのとらえ方が噺にあらわれていてまた面白い。
「佃祭」でたまった鬱憤(?)をはらすかのように弾けまくった「粗忽長屋」楽しかった!

そしてトリは吉坊師匠の「骨釣り」。
おおこれは私の大好きな「野ざらし」の上方版!
若旦那のお供で釣りに行って骨を釣ってしまった太鼓持ち。弔ってやるとその晩美しい女がお礼に参る。
それを見ていた隣の男が羨ましがって同じように川に行って骨を探す。なかなか釣れないのだが、用を足そうと中州に行ってようやく見つけた!弔ってやって女が来るのを待っているとやってきたのは大男…。

噺自体は「野ざらし」の方が面白いように思ったのだが、骨を釣りあげたくて釣り糸を垂らす男がなんともかわいい。
吉坊師匠は声がきれいで言葉がきれいでスピードがあって聞いていて気持ちいい。
また見に行きたい!