りつこの読書と落語メモ

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初夜

初夜 (新潮クレスト・ブックス)

初夜 (新潮クレスト・ブックス)

★★★★★

歴史学者を目指すエドワードと若きバイオリニストのフローレンスは、結婚式をつつがなく終え、風光明媚なチェジル・ビーチ沿いのホテルにチェックインする。初夜の興奮と歓喜。そしてこみ上げる不安―。二人の運命を決定的に変えた一夜の一部始終を、細密画のような鮮明さで描き出す、優美で残酷な、異色の恋愛小説。

これは面白い…!
愛し合っている男女が最も幸せであるはずの初夜が、人生の分岐点になってしまうというのが、切なくもあり滑稽でもある。

2人のその一夜にいたるまでの心情や生い立ちが丁寧に描かれているので、もうまるで自分がフローレンスになったように恐れおののき、冷水を浴びせられたようにエドワードの気持ちになって傷つき、こうなってしまったのはどうしようもなかったのかと頭を抱え、でもこういうことってあるよなぁ…こういうことほど誰にも相談できないし、いっそなかったことにして全てを捨ててしまうような選択をしてしまうんだよなぁ…と納得し、案外人生ってそんなもの…とため息。

いやぁ、やっぱりマキューアンってすごい作家だわ…。
そしてこんなタイトルだから、アップしたらしょうもないスパムがたくさん付きで、ちょっと憂鬱。
そんなところにも、マキューアンの「意地悪」を感じてしまうなぁ…。