りつこの読書と落語メモ

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黒百合

黒百合

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★★★★★

面白かったーー!

「六甲山に小さな別荘があるんだ。下の街とは気温が八度も違うから涼しく過ごせるよ。きみと同い年のひとり息子がいるので、きっといい遊び相手になる。一彦という名前だ」父の古い友人である浅木さんに招かれた私は、別荘に到着した翌日、一彦とともに向かったヒョウタン池で「この池の精」と名乗る少女に出会う。夏休みの宿題、ハイキング、次第に育まれる淡い恋、そして死―一九五二年夏、六甲の避暑地でかけがえのない時間を過ごす少年たちを瑞々しい筆致で描き、文芸とミステリの融合を果たした傑作長編。

寺元進という14才の少年が夏休みに父親の友人の別荘に行く。そこには進と同い年の浅木一彦という少年がいる。2人はある日湖に行くのだがそこで少女倉沢香に出会う。
少年時代の淡い初恋の物語をベースに、進と一彦の父が出会った相田真千子という女性との物語、そして香の叔母である倉沢日登美の物語が挟まり、そして「私」が犯した殺人事件が描かれる。

このミスで7位に選ばれていたので読んだんだけど、途中までは「どこがミステリーやねん?」とクビをひねりたくなるほど淡々としていて純文学っぽい。
最後まで読んで、「うおお。そうだったのか…」と、これは紛れもなくミステリーであったのだな、と気付かされるのだ。

どうやーどうやーのミステリーを期待して読むとちょっと「???」と思うかもしれない。
先入観を持たずゆったりと読んでほしい。一粒で二度おいしい、そんな小説だった。