りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

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★★★★★

誰もが不安を抱えて歩き続ける、未来への“道”。子どもが感じる無力感、青春の生きにくさ、幼さゆえの不器用…。それぞれの物語を、優しく包み込んで真正面から描いた珠玉の三編を収録。涙がこぼれ落ちる感動の欠片が、私たちの背中をそっと押してくれます。はじめましての方にも、ずっと応援してくれた方にも。大好きな“彼ら”にも、きっとまた会えるはず。

スロウハイツの神様」に次ぎ、私にとったら二冊めの辻村深月作品。
3編が収められた短編集なんだけど、いやぁこれがどれも良かった…。
実はどれも「ぐわっ」とくるポイントがあって、読んでいて突然どばっと涙が出てしまって、困った困った。

どの小説にも、ちいさい人(小学生、中学生)のひたむきさと無力感がとても上手に描かれていて、あの頃の気持ちがものすごくリアルに思い出されて、それが痛い痛い。
でもそれを見つめる大人の視線がとても温かくてそこに救われる。

寂しさとあたたかさを描くのがとても上手な作家さんだなぁ…。かなり好き。他の作品も読んでみよう。