りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

田村はまだか

田村はまだか

田村はまだか

★★★★★

深夜のバー。小学校クラス会の三次会。40歳になる男女5人が、大雪で列車が遅れ、クラス会に間に合わなかった「田村」を待つ。人生にあきらめを覚え始めた世代のある一夜を、軽快な文体で描く。

題名に惹かれて読んだけれど、たいして期待していなかった。でもこれが思いのほか良かった。好きだった。

合言葉のように呪文のように繰り返す「田村はまだか」という言葉がとても効いている。
気がつけば私も田村を待っている。田村が来ないと始まらない。

同年代だからなんだろうか。ものすごーくわかる、この感じ。
第一話「田村はまだか」もいいけれど、第二話の「パンダ全速力」もいい。これいいなぁ。
なんかとても好みだったので、他の作品も読んでみたい。