望楼館追想
- 作者: エドワードケアリー
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2004/11
- メディア: 文庫
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主人公のフランシスは、常に白い手袋をはめていて下唇がはれていて蝋人形館で偽蝋人形になる仕事をしたりする変わり者。彼が住んでいる望楼館はかつてはものすごいお屋敷だったようなのだが今ではすっかり寂れて、世捨て人のような人が住む巣窟に成り果てている。
その望楼館に新しい住人が来ることになり、フランシスを始とする望楼館の住人は、新しい住人をどうにかして追い出そうと試みるのだが…。
おかしな人のおかしな物語を書かせたらこの人の右にでる者はいないかもしれない。
前回読んだ「アルヴァとイルヴァ」に負けず劣らずこちらも変な人がわさわさ出てくる変な話だ。
ああなのにどう見ても「気持ち悪い」主人公のフランシスが気持ち悪くないのはなぜだろう。残酷な行動や常軌を逸した言動がそれはそれとして受け入れられてしまうのはなぜだろう。
kazuouさん。私はこの本もすごく好きです。感動したとかそういうんじゃないんだけど、読んでいる時にこれぞ読書の楽しみ!って笑いたくなる瞬間が何度もあって。こういう楽しみって本を読むことでしか味わうことができないような気がする。