りつこの読書と落語メモ

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ひとりぼっちの欲望

ひとりぼっちの欲望 (ドイツ文学セレクション)

ひとりぼっちの欲望 (ドイツ文学セレクション)

★★★
ドイツの女流作家による短編集。これは‥電車の中で読んでいて思わず誰からものぞかれていないか、まわりを見渡してしまうような小説だった。

たとえば、自分の持っているエナメルのコートを預かっているという電話が入って、その電話をかけてきた男がストーカーまがいの行為を行ううちに、被害者のほうの女性が反撃に出るという話。傘で男の頭をめちゃくちゃにえぐる話。性の倒錯、暴力、裏切り、をテーマにした小説。

えぐいというか、かなり表現も直接的‥。

その中で「婦人科医の胸」という話は非常に胸に迫る話だった。胸に腫瘍ができて、癌の疑いがあると医者に言われ乳房を取った女性。悪性かもしれないと言われて切ることを決めたのに、切ってみたら癌はなかったと言われる。彼女の気持ちはおさまらない。診断して切断した医者に復讐する、、というストーリー。

このやりきれなさ、そして復讐心そして行動。極端な話ではあるけれど、わかるなぁと思ってしまったよ。