りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

第54回白酒ひとり

3/9(木)、国立演芸場で行われた「第54回白酒ひとり」に行って来た。
この会は前に一度来たことがあって、できれば定期的に来続けたい!と思ったのだけれど、チケットがぴあで土曜日に売り出すのでたいてい買いそびれてしまってなかなか行けず。
一度はヤフオクでチケット買ったんだけど、なんと当日過ぎてもチケットが届かず、お金だけ払って行けなかったという悲しい思い出。
今回は土曜日にチケットを予約してようやく行くことができた。
 
・はまぐり「たらちね」
・白酒「馬の田楽」
・白酒 桃月アンサー
・白酒「辰巳の辻占」
~仲入り~
・白酒「花見の仇討」
 
白酒師匠「馬の田楽」
この間、新橋で行われている落語会に呼ばれた。
その会はすごくちゃんとしたお弁当が出て日本酒の試飲会もあってなおかつ落語というなかなか贅沢な会だったんだけど、その前の時の会で落語をやったのは風間杜夫さん。
もうなんなのか。風間杜夫。なにを目指しているんだ。こんなところにまでか!と。
顔もよくて役者としても一流でそれで落語の方に来ないでもらいたい。
自分だってもし顔が良ければ落語なんてやってないで役者になった。こういう見た目だからやむを得ず落語家になっているのに、そこを荒らさないでもらいたい。負けるに決まってるから。
だってあちらはたとえうけなくても噛んでも、ちっ(渋い顔)てやれば「きゃーー」ってなるわけだから。ずるい。
こっちは崖っぷちでやってるんだ。もう下がる場所がないんだ。
 
でも俳優さんが落語をやってみたいという気持ちになるのはなんとなくわかる。
一人芝居といってもそれなりに準備がいるし小道具もいるけど、落語はまさに体一つでできる。やってみれば意外と難しくない。できちゃう。
それでもあれでしょ。風間杜夫さんは「火焔太鼓」とかね。志ん朝師匠が好きなんでしょうね。きれいなネタでね。百両見て「あーーー」なんてね。
「勘定板」やりやがれ!って思いますけどね。
 
…わはははは。
どきっとするような毒を吐きつつも、いやな感じが全然ないっていうのがすごいな。白酒師匠は。
それから、これからは動物に落語をやらせればいいかもしれない。犬が兄弟子なんてことになったらいやでしょうね、なんていうまくらから「馬の田楽」。
 
白酒師匠の「馬の田楽」は前にも聞いたことがあるけど、いいなあ。ちゃんと田舎の風景が浮かんできておおらかな気持ちになる。
それほど大きく変えているわけじゃないけど、耳の遠いおばあさんが聞き違いをするとき、「え?アルゼンチン?」とか「南米を離れろ」とかいうのがすごくおかしい。
面白いんだけど、それがこの噺ののどかな風景の邪魔をしてないっていうのがすごい
 
白酒師匠「辰巳の辻占」
雲助師匠で何回も聞いている噺。
おたまがいいねー。ケロッと悪くて。
男の方も全然軽くてそれが楽しい。
 
はんちゃんがいなくなったらあたしの人生、何にも楽しいことがなくなっちゃうと言っていたおたまが、はんちゃんが死ぬと聞いて「でもほら…生きていれば他にも楽しいことは見つかるもんだし」と言ったのがおかしい。
はんちゃん自身も「たしかにな。おたまが言ってた通り、生きていれば他に楽しいこともあるよな。おれもう3つ見つけちゃった」と言ってたのもいい。
楽しかった。
 
白酒師匠「花見の仇討」
こういう噺を聴くと、ああ、春が来るんだなぁと感じられてとてもうれしい。季節を感じられる噺があるっていうのが落語の好きなところ。
 
耳の遠いおじさん、巡礼兄弟の仇討と聞いて助太刀をしてやろうという侍とそれぞれのキャラが生き生きしているので、退屈しない。
仇討をやっていて刀が重いといって泣き出すろくちゃんがおかしかった~。