自由の樹のオオコウモリ
- 作者: アルバートウェント
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/08
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
今度はサモアですよ。
解説にはアルバート・ウェントは「南太平洋文学で最も重要とされるサモア人の作家、詩人」と書いてあるけど、南太平洋文学って…?わははは。いやでも確かにアメリカやイギリスとは全然違う。これが南太平洋文学なのかー?!
でも、ものすごく強烈かといったらそんなことはなく。国が違っていても感じる心や孤独や愛情というのは一緒なんだなぁと思う。
短編集なので、毛色の違った物語を次々読めたのが良かったなぁ。
特に好きだったのが「フル大佐」。チビで醜男なのに女を口説かせたら世界一、子沢山の床屋「フル大佐」。彼と友達になった少年が彼のことを語るというスタイルなんだけど、これがなんというか「やられた」というか…。読み終わってちょっとあっけにとられて、深読みしたくなるような物語。
それから、本当に救いようのない悪人である叔父のことを描いた「サラブレッドに乗った小悪魔」、これも面白かったなぁ。叔父ピリーはほんとに救いようのない悪人。彼がいったいどんな人物だったのか、彼がそんな風になってしまったのはなにが原因なのか、淡々と語れているんだけど、なぜかこれがすごく面白くて。
さて、サモアの次は何を読もう…。