★★★
R.レッドフォードとJ.フォンダ共演、Netflix配信映画『夜が明けるまで』原作小説。老年の恋をみずみずしく描く。
夫を亡くし一人暮らしをしていたアディーがお隣に住むやはり妻を亡くして一人暮らしをしているルイスを訪ね、これからは自分の家に寝に来ないかと提案する。
性的なことを求めているのではなく、広いベッドに一人で寝ていると寂しくてぐっすり眠れないから、二人で横になって話をしながら寝たい、というのだ。
最初はぎこちなかった二人だがベッドに横たわりお互いのことを語り合ううちに心が通いあい、徐々にその時間がかけがいのないものになっていく。
幸せそうに見えたお互いの家庭が実はそうではなく、ルイスには不倫をして妻を泣かせた過去があり、アディーは長女を事故で亡くしたことで夫が残された妻と長男に冷淡になり心が通い合わないまま夫婦生活を終えた過去があった。
アディーの孫ジェイミーがアディーの家に預けられてからの3人は普通の家族よりも幸せそうで…なによりアディーがいろいろあっただろうけどいい父親だったことが伺い知れて惚れ直した。傷ついたジェイミーのためにソフトボールの試合を見に行ったり、ドライブスルーでハンバーガー、キャンプに川遊び…一番ぐっときたのは犬を迎えたこと。お世話は大変だけど不仲な両親の間で孤独なジェイミーにはなによりの贈り物…。
以下ネタバレ。
でも近所の噂話は気にしないアディーが息子から責められ孫との電話さえも禁じられ、アディーと別れる決断をするところが辛すぎた…。その後の展開も受け入れられない気持ちが正直ある。老齢の親だったとしても一人の独立した人間として見てあげることはできなかったのだろうか…。
親への恨みがあると頑なになってしまうということが分かるだけに、そこがめちゃくちゃリアルだったし胸が痛かったしこの物語=悲しい物語になってしまった。あくまで私にとっては、だけど。
老齢のロバートレッドフォードのルイス役…素敵なんだろうな、映画。でもこの結末のままだったらあんまり見たくない…。
