他人の目を気にして、びくびくと生きている百合は、単純なミスがきっかけで会社をやめてしまう。発作的に旅立った離島のホテルで出会ったのはノーデリカシーなバーテン坂崎とドイツ人マティアス。ある夜、三人はホテルの図書室で写真を探すことに。片っ端から本をめくるうち、百合は自分の縮んだ心がゆっくりとほどけていくのを感じていた―。
とても良かった。
弱っているときって他人が見ている自分のことにばかり神経がいってしまう。
今イライライラされたとかダメだと思われてるとか感じ悪く思われたとか。
今まで上手に取り繕っていたはずなのに綻んだ途端に身動きができなくなる。
他人の目を気にするあまり身動きがとれなくなって自分自身を見失った百合が一人旅に出る。
旅に出て出会った二人のお陰で百合がほどけていくのが、読んでいて心地よい。
おいしい、楽しい、なんか楽ちん。そんな感情が生きる活力となっていくのだよなぁ。
悪意のある人もいるけれどそんな人ばかりじゃない。
ああはなりたくないはああはなれないの裏返しでもある。
姉の物語も読んでみたくなった。
