りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

春風亭一朝・立川左談次二人会

9/25(金)、北沢タウンホールで行われた春風亭一朝・立川左談次二人会に行ってきた。

・一朝&左談次トーク
・一朝「蛙茶番」
・左談次「骨折漫談 力士と噺家
〜仲入り〜
・左談次「天災」
・一朝「井戸の茶碗

一朝師匠&左談次師匠トーク
二人の仲の良さが伝わってきてこのトークコーナーがとっても楽しい。
ぱーぱーいろんなことを言う左談次師匠に、それをにこにこしながら聞いている一朝師匠。
「俺たちは試験をうけて真打になったんだから他の真打とは違うよな」と左談次師匠が言えば、「そうそう、あれはいったいなんだったんだろうな」と一朝師匠。
「真打もそうだったけど二ツ目になる時も太鼓の試験があったよな。俺は太鼓が下手だから名人の一朝さんに合いの手をわざと強めに叩いてくれ。そうしたら自分の音が目立たなくなるから。ってお願いして」左談次師匠がそう言うと「そうそう。だから一生懸命叩いたんだよ。そうしたら、うるさいから叩くのやめろって言われちゃって。」と一朝師匠。「結局しーんとした中でたたかなきゃいけなくなっちゃてな」
二人で共有している思い出がたくさんあってそれがどれもバカバカしい内容だから一緒にいて話してるだけでおかしくて笑ってしまうんだろうな。なんかほんとにこの二人の関係が素敵だ。
いつまでも二人のトークを聞いていたいとおもってしまう。

一朝師匠「蛙茶番」
この二人会の時は左談次師匠が必ず「一朝さんがしっかりした落語をやってくれるから自分はいつも以上に適当に」と言うんだけど、「そうなの?しょうがないなぁ」といつも落語らしい落語をちゃきちゃきっとやってくれるのが本当に気持ちいい。
一朝師匠の「蛙茶番」は、半ちゃんがとても江戸前なので威勢が良くてそれだけで楽しくなってしまう。
番頭さんとはんちゃんの間を行き来する定吉も茶目っ気があって楽しそうで本当に落語らしい落語で楽しい。

左談次師匠「骨折漫談 力士と噺家
骨折漫談がどんどん洗練されてきているのがおかしくてしょうがない。
毒を吐いても適当そうなことを言っても左談次師匠のからっとした人柄がにじみ出ているから下品にならないし嫌味にならない。本当にかっこいい師匠だなぁ。大好きだ。

左談次師匠「天災」
杖をついて高座に上がるよりは元から上がっていた方がいいかも?と考えたらしく、幕が上がるとすでに高座の上にいる左談次師匠。
「昭和の名人でこういう師匠がいたから真似してみたけど…あんまりよくないね。普通に歩いて上がった方がよかった」に大笑い。
1席目が長かったからだろう。ほとんどまくらなしに「天災」に。
いやぁこの「天災」が本当に楽しかった。ところどころに左談次師匠らしいくすぐりとか思わぬ受け答えがあって大爆笑。
乱暴者の熊さんも左談次師匠がやると軽くて威勢が良くて気持ちがいいし、べにらぼう先生はにこにこと上機嫌でちょっと怪しさもあって楽しい。
先生の「天災」の話を熊さんが受け入れるのも「聞いてる俺より話してる先生の方が気持ちいい」と気づいたから、という解釈が左談次師匠らしくて面白い。
いいもん見たわーーー。満足。

一朝師匠「井戸の茶碗
落語協会でやられている「井戸の茶碗」は一朝師匠の形が主流なような気がする。
清兵衛さんが行ったり来たりするところがくどすぎないところがいいな。たいていそこでじりじりしてしまうのだ>私の場合。
正直清兵衛さんがからっと明るいところも楽しい。
ちゃんとしてるけどあっさりしていて楽しい井戸の茶碗だった。