九十歳。何がめでたい
★★★★
御年九十二歳、もはや満身創痍。ヘトヘトでしぼり出した怒りの書。全二十八編。
もう耳もよく聞こえないし、かといっていちいち聞き返すのももうめんどくさいし、歩いていれば躓くし、自転車に乗ってるおばさんには舌打ちされるし、身体のあちこちは痛むし、90歳を超えて「お元気ですね」とか言われるけど、もう全然元気じゃないんじゃ!声が大きいだけで!と怒る佐藤愛子先生。
でもやっぱり元気だよ。だって怒る元気があるんだもの。そして世の中や若い人たちのことを嘆きながらも全然愚痴っぽくないんだもの。昔
と今で良くなったこと悪くなったこと…くっきり分けることはできないけど、昔はよかったと美化するのもおかしいけれど、過去を全て否定するのは間違っているのだなぁ、としみじみ思った。
おもしろかった。