りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

バイロケーション

バイロケーション (角川ホラー文庫)

バイロケーション (角川ホラー文庫)

★★★★

画家を志す忍は、ある日スーパーで偽札の使用を疑われる。10分前に「自分」が同じ番号のお札を使い、買物をしたというのだ。混乱する忍は、現れた警察官・加納に連行されてしまう。だが、連れられた場所には「自分」と同じ容姿・同じ行動をとる奇怪な存在に苦悩する人々が集っていた。彼らはその存在を「バイロケーション」と呼んでいた…。ドッペルゲンガーとは異なる新たな二重存在を提示した、新感覚ホラーワールド。第17回日本ホラー小説大賞長編賞受賞作。

面白かった。力技を使ったな感はあるものの、ストーリーでグイグイ読ませる。
ホラーにはあまり興味はないけれど、ちゃんと人間が描かれているから楽しく読めた。

前半は何もかもが怪しくて謎で尋ねてもマトモな返事が返ってこないのでイライラしたが、そのぶんラストはなるほどそういうことかと納得させられる。
ただ前半にもっと伏線が張られていれば後半がより爽快だったかもしれない。