りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

兵士たちの肉体

兵士たちの肉体

兵士たちの肉体

★★★★

アフガニスタンに派兵されたイタリアの若者たちの孤独、性、葛藤を瑞々しい筆致で描きながら、現代の矛盾に鋭く迫る二十一世紀の戦争小説。世界的ベストセラー『素数たちの孤独』著者の最新長篇。

今の生活から逃れたかったり、情けない自分を変えかったり、英雄になりたかったり…。兵士になった理由はそれぞれだが、戦場で敵に会えば木っ端微塵にその肉体は散ってしまう。
兵士たちの背景や内面を丁寧に描いているからこそ、戦闘シーンの圧倒的な破壊力に胸が潰れる思いだ。

こんな体験をしたら誰だってもとの自分には戻れないだろう。
戦争を肯定する人たちには想像力がないとしか思えない。