りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

一度だけ

 

一度だけ

一度だけ

 

 ★★★

一年に一度でいい。熱く、熱い、夜が欲しい。

30代姉妹で二人暮らしを続ける派遣社員ひな子と介護ヘルパー弥生、彼女らの母親・淑江とその妹・清子、二組の姉妹の物語。夫が遺した財産で自由きままに暮らす清子はひな子を誘い、往復ビジネスクラスの一人180万円かかるブラジル旅行に出かけた。日本に残された弥生はひな子が不在の間、「毎日新しいことをするルール」を自分に課すのだが……。一年に一度、ステージ上の誰もが光り輝くリオカーニバルの煌めく美しさと、一見平凡に見える日常が時折放つ輝きの強さを丁寧に描く九年ぶり、二作目の長編小説。

 

益田ミリさんの漫画が好きだ。日常の中でいろんなことを感じてその中には黒い気持ちもあるのだけれどそれを小さなつぶやきや表情の変化、ニュアンスで表現している。

それが小説となると全く別物で、主人公二人のずるさだったり弱さがストレートに表現されているので、読んでいてちょっと薄っぺらく感じてしまった。
清子おばさんはチャーミングだったけど、主人公の姉妹や彼女たちの母親の魅力が伝わってこない。
でも漫画だったらきっとこの母親も…ほんの少ししか出てこない父親の魅力も表現されていたような気がする。