りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

百栄の赤いシリーズ第18回 赤い家計簿

2/15(木)、らくごカフェで行われた「百栄の赤いシリーズ第18回 赤い家計簿」に行ってきた。

・百栄「強情灸」
・百栄「誘拐家族」
・こはる「反対俥」
~仲入り~
・百栄・こはる トーク
・百栄「猫の皿」
・百栄「ホームランの約束」

 

百栄師匠「強情灸」
わーー、百栄師匠の「強情灸」初めて聞いたー。
新作の噺家さんだと私の場合はたいてい新作の方が好きということが多いんだけど、百栄師匠の古典は大好き。
新作の噺家さんだとどうしても改変を期待してしまって、「あれ?ここも変えないんだ」「ここもそのままなんだ」って、そういう目で見てしまうから楽しめないってことがあるんだけど、百栄師匠は古典の改変はしなくて、でもなんか独特の風味があってそこがとっても面白い。

「強情灸」も面白かったー。
話し終わったあとに師匠が「この間お客さんにこのサゲの意味を聞かれまして…。私が思うにこのサゲは…」と言いかけて、みんなが固唾を飲んで真剣に聞いていることに気付いたのか、「あ…なんか言おうとするとどんどん自信がなくなっていくんですが」と言って、つまりはこういうことだろう、という解釈を。
どうっていことはないんですけど、なんかそれ以来この噺が気になるようになって、それで最近やってます、と。
私は結構サゲをちゃんと理解してないことも多くて、サゲを案外気にしないっていうか、なんとなくふわっとわかったようなわからないような気でいて、それでも楽しめちゃうんだけど、改めてこうやってきちんと説明されるとなんかすごく貴重なことを教えてもらったような気分。

百栄師匠「誘拐家族」
この会は勉強会っていうわけじゃないんだけど、そういえばこの噺最近あんまりやってないなと思ってネタ帳見たらここでもやってなかったので、と言って「誘拐家族」。
おお、私これ、テイトの会で見たことがある!

身代金要求の電話をかけて、「いくら用意すればいいんだ」と聞かれて「50万」と言う誘拐犯。
「ちょっと安いわよ!」誘拐された中学生が「せめて500万」と言うと「500万って…天文学的な数字じゃないか」。
さんざん二人でもめてもう一度電話口に出て「先ほどお電話した〇〇ですが」って名乗っちゃうのもばかばかしい。
おかしかったー。


こはるさん「反対俥」
わーー。こはるさん久しぶりー。うれしいー。
らくごカフェは前座時代に「立川流前座の会」でお世話になり、百栄師匠とはやはり前座時代ラジオ番組でお会いして以来。DVD買っちゃうぐらいのファンなのでとてもうれしくてドキドキしてる。
そんな言葉通り、確かにこはるさん珍しく緊張気味?

時々着物のままタクシーで移動することがある。
そうするとよく運転手さんに「若いのに(着物を)きれいに着ててえらいねぇ」と言われる。
この「若いのに」が明らか「中学生の男の子なのに」ぐらいな感じで言われてるのがわかるので「いやいや、そんなに若くないっすから」と答える。
その後聞かれるのは決まっていて「着物はお仕事で?」。
とにかく「落語家です」とは答えたくないので…というのは、落語家って言うと「じゃ、ここで小噺やって」とか言われかねないから絶対言いたくない。
なので「ええと…移動です」と答える。
しばらくそれでお茶を濁していてもまたしばらくすると「お稽古かなにか?」。
そう聞かれても「いやまあ…移動です」。
目的地に着いてお金を払っていると「いやでもあなた…声がいいよ。いい声してる。落語家になったらいいんじゃない?」

…ぶわははは。おかしい。
まくらでお客さんをつかみきれてないようなことを言いながら「反対俥」へ。
テンポもいいし声もいいし楽しい。んだけど、なんとなく少し乗り切れてない感じ?
って余計なお世話か。ぷぷぷ。
とにかく早い俥屋の威勢のよさ、そして高座の上で軽々と飛び跳ねるところ、かっこよかった~。


百栄師匠&こはるさん トークコーナー
主催者の方が仕事の都合で来られなかったのもあって気を使った?百栄師匠。
こはるさんに仕切らせるのは気の毒だからと、「今日は私が立川流のことを聞きたい」と。
今でも立川流として全員が揃うことはあるのか、そういう時だれが連絡してくるのか、だれがそういう会を仕切るのか、から始まって、Cコースは今もあるのか?とかそんな話。
面白かったー。

百栄師匠「猫の皿」
猫好きの百栄師匠が猫好きじゃない男の噺、っていうのが面白い。
茶屋の主人が「そんな汚い猫を」と言いながら、値段を3両までつり上げていくのがおかしい。
茶屋のおやじにしてやられたなーな感じがする「猫の皿」だった。


百栄師匠「ホームランの約束」
この噺、前に聞いた時はダークさに目が行ってしまってそれほど楽しめなかったんだけど、今回はなんかずっと楽しかった。
本音をボロボロいう野球選手と、最初はいかにも無邪気な感じに受け答えしていた子どもの立場が逆転していく面白さ。

4席も聞けて幸せ~。楽しかった。