りつこの読書と落語メモ

読んだ本と行った落語のメモ

池袋演芸場10月下席昼の部

10/29(木)、池袋演芸場10月下席昼の部に行ってきた。

・ゆう京「たらちめ」
・喬の字「動物園」
・さん助「だくだく」
・百栄「寿司屋水滸伝
・川柳「歌で綴る太平洋戦記」
ホンキートンク 漫才
・龍玉「親子酒」
〜仲入り〜
         ・喬之助「そばの殿様」
・喜多八「黄金の大黒」
・ストレート松浦 ジャグリング
・左龍「たちきり」

ゆう京さん「たらちめ」
1年以上前になるか「二人旅」を見て、なんてつまらなそうに落語をやるんだろうと思ったんだけど、あれがこうなるかと思うと感慨深い。
緩急があって楽しい高座。

喬の字さん「動物園」
二ツ目昇進が決まっているゆう京さんのことをちくりと言ったあとに、自分が見習いの時にこの後出てくるさん助兄さんが二ツ目に上がる時だった、と思い出話。
とにかくあの兄さんは0か100かですから。極端なんですから。「どうせさん助兄ぃは聞いてないでしょうから」と言った時に「聞いてるよ」と楽屋から声が聞こえたのがすごくおかしかった。
ニツ目に上がる時はお礼奉公といってずっと師匠の家にいないといけない。で、ある時、引っ越しをするので不動産屋に行きますとさん助師匠が言うとおかみさんが「それは何時?」「10時半です」と言うと、だったら行ったり来たりが面倒だろうから明日は来なくていいわよ、とおかみさん。
これに味をしめたんでしょう。その後、引っ越し屋が来るのも銀行に行かなきゃいけないのも全部「10時半」。最後は師匠が「そんなに来たくないなら来なくていい!!」と怒った、と。

そんなまくらから「動物園」。まくらの人を食ったような感じが続いていて妙におかしい。普段通りのサゲにしなかったと思ったら、この続きはさん助師匠が、と言って下がって行った。

さん助師匠「だくだく」
喬の字さんの「続き」は軽くスルーするさん助師匠。前にもこんなことがあったような…(笑)。
この間眼医者に行ったんですけど、眼圧を測る時ってなんか風みたいのが…吹き矢みたいのが飛んでくるじゃないですか。あのときに目をつぶっちゃいけないと言われたんですけど、どうしても目をつぶっちゃう。助手がだんだんイライラしてきて、まずいなぁと思っていて、ようやく7度目ぐらいにつぶらずに済んで、思わず「やりました!」と喜んだら、その助手が「ちっ」と舌打ちをした、というのがおかしい。

そんなまくらから「だくだく」。わーーーい、二度目だー!
鈴本で聞いた時より完成度が高い!
どろぼうがいかにも目が悪そうなのがおかしい。そして喜んで入ってきたのに全部絵だとわかって「うまく書きやがった」と感心して、つもりになって盗るのが何回見ても楽しい。それに気づいた男が「ばかだねぇ…」と言ったあとに「粋だねぇ」と言うのがまたおかしい。 いやぁ楽しかった〜。

川柳師匠「歌で綴る太平洋戦記」
お客さんが結構いい反応だったからかご機嫌な川柳師匠。あれ?なんか長いなぁと思っていたらどうももとの出番(仲入り)と間違えちゃってた??
後から出てきたホンキートンクの時間がかなり削られちゃって気の毒、そして残念。でもそういうのがいかにも寄席らしくて楽しい。

左龍師匠「たちきり」
若旦那がいかにも若旦那らしいなぁ。蔵から出してもらった後、女からの手紙を「もういいよ」と言うのがなぜなんだろうといつも思っていたんだけど(ポーズなのか、もうどうでもよくなったのか)、きっとその両方だったんだろうな、と感じた。
二人は愛し合ってはいたんだろうけど、でもやっぱり若旦那の方は…というのがそこはかとなく感じられて切ない。
でも涙だけじゃなく、最後のドライなサゲではっとさせてくれるところが、好き。